副業

【体験談】副業で開業届けを出すことにはデメリットが大きいかも

副業をはじめたから開業届出そう!

…ちょっと待った!と言いたいです。

何も知らずに開業届を出すとソンする可能性もあります。

開業届を出すメリット・デメリットを紹介するので、しっかりと理解した上で判断してください。

 

ちなみにこれはぼくの体験談でもあります。

西福岡税務署の人に色々聞いてみたことなどをまとめています。

個人的には開業届出す必要無かったかな…と考えていて、廃業届を出すか悩んでるくらいです。

今回の記事はあくまで副業の場合をテーマにしていますので、ご注意ください。

フリーランスとして生計を営む場合は、出すことのメリットの方が多いかと思います。

※2021/02/14現在の記事です。制度の詳細は変わる可能性もありますので、最新の情報をご確認ください。

開業届って?

近所の税務署行けばすぐできます。紙一枚書くだけ。

書き方も教えてくれます。

出すことによって個人事業主になれます。めっちゃかんたん。

ちなみにこの開業届を出さなくても副業はできます。

  • 印鑑を持っていくこと
  • 青色申告承認申請書も同時に出すこと

開業届を出すメリット

では開業届を出すと、どういうメリットがあるのでしょうか?

出してみて感じたのはこの3つです。

  1. 青色申告が出来る
  2. 屋号を持つことができる
  3. 意識が変わる

一つづつ解説していきます。

青色申告が出来る

「なんのことや?」と思った方は、要するに「めっちゃメリットの多い方法で確定申告が出来る」くらいに理解していてください。

  • 最大65万円の控除を受けることができる
  • 家族の給与を必要経費にできる
  • 損益通算ができる

が大きなメリットになります。

ただし、副業の場合は青色申告ができない可能性があります。

確定申告・青色申告については後述します。

屋号を持つことができる

個人事業主になれば、自分の名前でなく屋号で事業を営むことができます。

言ってみれば商店名を付けるようなイメージですね。

業務委託を受ける際など、請求書を出す時なんかに信頼感が増すと思います。

意識が変わる

「個人事業主にオレはなる!」という意識が芽生えます。

これであなたも立派なフリーランス。

ぼく自身、個人事業主になったことで、税制などを学ぶ機会になったなと感じています。

個人事業主になるデメリット

実は個人事業主になることにデメリットもあります。

特に会社員が副業で行う場合、気を付けるべきポイントがあります。

失業手当が受けられない

ここが最も大きなデメリットになります。

仕事を辞めた時の保険として、かなり助かる制度です。

今後、仕事を辞めて失業手当をもらう可能性があるなら、開業届を出さない方がいいかも知れません。

そのくらい大きなデメリットです。

副業がバレるは間違い

ちなみに開業届を出したからといって、会社に副業がバレることはありません。

「確定申告時に住民税を支払うタイミングでバレる可能性がある」が正解です。

ただここもちゃんとした手順を踏めばバレる可能性は極端に低くなります。

副業で確定申告が必要なケース

「そもそも確定申告が必要か?」

これを考えることが最も重要になります。

副業で確定申告が必要になるケースを考えてみましょう。

年間の所得が20万円を超える場合

年間の所得が20万円以上なら確定申告が必要です。

ここで注意すべきは、「収入」でなく「所得」です。

所得=収入ー必要経費

Uber Eatsをはじめるために自転車を買う、ブログ用のパソコンやサーバー費、自宅で副業するために部屋を家事按分する…

など必要経費にできる範囲って結構広いです。

よりくわしく学びたい人は、税理士さんが書かれたこちらの本がオススメです。

マンガで分かりやすいです。

なので少なくとも月々の売上が18,000円以下の場合は、そもそも確定申告が不要。

必要経費を考えると、所得が20万円を超えるのは結構むずかしかったりします。

このラインに達しない限り、開業届を出すメリットがあまりないです。

むしろ失業手当が受けれないというデメリットの方が大きくなります。

所得が20万円を超えれば、青色申告の65万円控除や家族への給与の支払いも節税効果が出てきます。

ただし、それでも青色申告が出来るかは難しいライン…

ちなみに住民税は支払う必要があるようですね。

税理士さんの動画を見るまで知らなかった…が、住民税をキッチリ払っている人は多くないようです。

副業で青色申告できるのか?

そしてここが重要なんですが、「副業で青色申告ができるのか?」というとこですね。

青色申告の条件はおおまかに言うとこんなカンジ。

  • 開業届を出していること
  • 複式帳簿での記入
  • 事業所得、不動産所得、山林所得がある

開業届は税務署でかんたんに出せるし、複式帳簿もマネーフォワードなどの会計ソフトを使えば自力でなんとかなります。(めんどくさいけど…)

ただ難しいのが、「税務署が副業での所得を事業所得を認めるか」というところ。

これについては判例も数多く出ており、以下が基準となっています。

  • 自己の危険と計算において独立して行う業務か(リスクがあるか)
  • 営利性と有償性を有しているか(ちゃんと収入があるか)
  • 反復継続して遂行されて営まれているか(継続して取り組んでいるか)
  • 社会的地位が客観的に認められているか(それは社会的に見て事業と呼べるのか)

しっかりと副業に取り組んでいれば、上の3つは達成できるでしょう。

ただ4つ目が結構クセモノで、特に明確な基準がありません。

基本的に税制は社会通念上認められるかというあいまいな基準で判断されます。

青色申告のメリットの65万円の控除を受けるとなると、結構な収入があるので社会的地位はあるような気もしますが…

事業所得として認められなかった場合、雑所得となります。

雑所得と判断された場合は青色申告の対象外となってしまいます。

っていうか年間の所得が20万円超えるようであれば、だいぶ立派な事業やと個人的には感じますが…

副業解禁時代になってるので、明確なガイドラインを出してほしいとこですね…

開業届の提出タイミング

(開業等の届出) 第二百二十九条 居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。

出典:所得税法

 

これを見てるかぎり、雑所得であれば開業届の提出が必要ではなさそうですね。

事業所得として自認した1ヶ月以内に提出ってのもなんだかあいまいなラインですね。

損益通算で節税できる?

「会社員とは別で事業をやっていて、そこが赤字なら払った税金が返ってくる!」なんてのも見かけますが、要注意です。

「とりあえず開業届出してやってもない事業で赤字を出しとけばええやで」と指示した、とある士業の方が逮捕されてますからね。

たしかにロジック上では青色申告で損益通算をすれば、赤字の分にかかる税金が還付されます。(税務署でも確認してみた)

そもそもですが、毎年赤字の事業を、先ほどの基準にしめし合わせて事業所得の条件に達しているかと言えば、かなり難しいでしょう。

多分この本の内容が出回っているせいで、ちゃんと理解していない人が多いと思う…

ちなみにこの本を書いた人はもう逃げ切っていて、見事よなーと思っちゃいます。

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まとめ:20万円以上の所得がない限りは出さない方が無難

そもそも確定申告が必要かどうかを考えると、所得の20万円ラインに達するかが重要です。

もし超えないようなら、本業を辞めた時に失業手当が受けれないデメリットが生じてしまいます。

また、所得が20万円を超えたとしても、事業所得として認められない限りは青色申告が出来ません。

そして副業の収入が事業所得か雑所得なのかはグレーゾーンです。

税務署でこれって事業所得ですか?って聞いたとしても税収が減るから認められなさそうですし…

しっかりと自分にとってメリットがあるのかを判断したうえで、開業届を出すかどうか決めましょう。

もし判断を迷った場合、元国税調査官のこの方の動画を見てみると参考になるかと思います。(バレなきゃいいってもんでもないでしょうが)

ABOUT ME
べっち
仲間や友達に向けて自由に生きるためのライフハックを発信。 地方都市でそれなりの給料で投資して、のんびり暮らすのが最強と思っている。 アラサーの会社経営者です。